Creative Commonsにおける「表示」ってめんどくさいけど、実際どうすればいいのか

id:wattoさんの自称「日本三大何とか」の三つめがうちの地元になぜか多い件または郷土愛は自己憐憫の形をとりがちなのだろうか? - しいたげられたしいたけという記事で、クリエイティブ・コモンズ(以下CC)がパブリックドメインと同じで表記なしで引用されていたいので、下記のようにブコメで指摘したところ、きちんと修正されていた。正直書いてみてちょっと強い言い方だなとは思ってもう少し書きようがあったのではと思ったのだが、id:wattoさんはこういうことで怒る人じゃないだろうと思って書いた。*1

ライセンス警察なんですけど、パブドメなら表記不要ですが、CCだと常に要表記(Attribution)ライセンスになっておりまして、今回の下呂温泉の画像もそうだから、作者とライセンスを示さなければいけないですよ
http://b.hatena.ne.jp/qt_fb/20160627#bookmark-292216425

どうでもいい前置き

さてはて、僕がライセンス警察、というのは冗談なのだけど、仕事が著作権というものが死活的に重要な働き方であり、なるべく著作権は合法的に扱いたいなと思って生きてはいる。あと、最近卒業した高等教育機関が大胆な剽窃で有名になってしまい、僕は絶対そうはならないと思って特に気をつけてたところがCCライセンスの扱いだった点もある。これも余談なのだけど、当該高等教育機関はそれで有名になったにもかかわらず所属する学生たちの正しく引用しなさは半端無く、フリーペーパーづくりに関わったのだが、合法的に引用させるのに大変疲れた。

CCのだめなところ「表示が必須」


https://creativecommons.jp/licenses/
ここからが本題。CCが何なのか、は上記URLに詳しいが、簡単に説明するためにそこに載っている図を引用してみた。著作権表示をしない場合のAll Rights Reservedから著作権放棄のPublic Domainの間を埋めるのがSome Rights ReservedのCCということになる。どの段階にするかは著作権者が選べるのだ。そしてCCは最低でも表示をしなければならない。
この最低でも表示がCCの正直に言ってダメな所で、id:wattoさんも表示をし忘れたように表示ってのはめんどくさいので結局CCライセンスは使われず、パブドメとCCの一番ゆるい表示のみライセンスの間にあると言える「いらすとや」さんのようなライセンスのものがよく使われる印象がある。

当サイトのイラストは以下の場合に限って、ご利用をお断りします。
公序良俗に反する目的での利用
素材のイメージを著しく損なうような利用
素材をそのまま再配布・販売(LINEクリエイターズスタンプ等も含みます)
その他著作者が不適切と判断した場合

以下の場合、有償にて対応させていただきます。メニューの「お問合せ」からご連絡下さい。
素材を20点以上使った商用デザイン
素材の高解像度データの作成(高解像度イラストのサンプル)
ご希望のイラストを作成

http://www.irasutoya.com/p/terms.html
なお、「いらすとや」さんのライセンスはCCよりも複雑であり、単純にCCよりもゆるいとは言えないが、大抵の利用者から見ると表示すらせずに利用できる便利なライセンスだ。しかし、自治体が使うには少し恣意的な運用がされるライセンスでは?と思う。*2

CCの表示を満たすには

まぁ、めんどくさいけどCC使いたいよねってなった時、実はまだめんどくささがある。どこまで書けば「表示」を満たすのか、ググっても日本語だとなかなか分かりやすい例が見当たらないのである。これは日本のクリエイティブ・コモンズジェイピーがだめなところだと思う。FAQに長々と文章を載せているが、こんなのは最悪のUXであり、CCをだれも使いたがらなくさせるものだ。以下に引用するが読み飛ばしてほしい。

CCライセンスの作品を利用する際、何を記載すればよいのでしょうか? また、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスのURLやアイコン、バナー等も表示しなければならないのでしょうか?
① 何を記載すべきかについて

以下の◆のマークがついたものを記載してください。

◆元の作品の「Ⓒ 著作権者の名前 公表年」の3点セット(これを「著作権表示」又は「クレジット」と呼ぶことがあります)

→元の作品に記載されている場合には、必ず記載してください。

◆元の作品の作者名、スポンサー、タイトル

→元の作品に表示があれば記載してください。

◆元の作品の著作権表示かライセンス情報に関するページへの指定されたURL

→元の作品に表示があれば記載してください。

※ 元の作品に改変を加えて二次的著作物を創作した場合

◆ 元の作品を利用した二次的著作物である旨
→例えば、「この作品は(原著作者)による『(オリジナルの作品の題名)』の日本語訳です。」「(原著作者)による『(オリジナルの作品の題名)』の脚本です。」などの表示が必要です。
※ 権利者から著作権表示を抹消するようリクエストがあった場合は速やかに抹消してください。

②どのように記載すべきかについて

利用しようとするメディア又は方法にとって合理的な方法で上記の表示を行ってください。記載場所につきましては、厳密に場所が決められているわけではありませんが、ウェブサイトへの掲載であれば、同一のページに記載して頂くことが望ましいでしょう。

https://creativecommons.jp/faq/#a4
さて、ここで日本語のみの世界から離れてWebを見渡すと、CCの総本山クリエイティブ・コモンズオルグには「理想的な表示」例がある。今回はこれを翻訳しよう。以下はCreative Commonsによる"How to give attribution"の日本語訳である。ライセンスはCC BY 4.0である。この翻訳自体のライセンスも同様だ。日本語のタイトルは「クリエイティブ・コモンズの表示の仕方」とした。
https://creativecommons.org/use-remix/get-permission/

クリエイティブ・コモンズの表示の仕方

以下の写真を使ってどうCCの表示をすればいいかを紹介するよ!

これが理想的な表示だ!

英語バージョン

Creative Commons 10th Birthday Celebration San Francisco” by tvol is licensed under CC BY 2.0

日本語バージョン

tvol氏による“Creative Commons 10th Birthday Celebration San Francisco” ライセンスはCC BY 2.0に基づく
これが理想的な表示なのは以下の4つが全部揃ってるからだ!

実際のところ、どうやってCCの表示をするかは内容に改変をしているかや、複数のCCソースから利用しているかなどで変わってくる。もっといろいろ知りたいならCCのWikiをチェックだ!
(翻訳終わり)

まとめ

なんだかんだで結構めんどくさいので、手で書くよりは機械が生成してくれって感じは強いが、CCを使うからには守って、合法的な引用ライフ、ノー剽窃ライフを送っていこう。

*1:まったく関係ないがid:wattoさんの記事をよく読むのだが、それはよく記事に出てくる駅から展望車つき普通列車に乗り込んでた記憶があるから

*2:「その他著作者が不適切と判断した場合」に利用が断られるライセンスのイラストを使うのは自治体としてどうなんでしょうという意味だ

あきらめの悪さ

ウチの業界に関しては、才能*1というものは結局あきらめの悪さだよねってことでFAぽいんだけど、これってぜーんぜん普遍的な話ではないと思うのだが、無理矢理一般化すると、その対象に対して諦め悪くなれる、ということがその分野の才能というあたりにはできそうだ。イライラと歯ぎしりしながらわけわかんねー謎の対象の問題を解決するのがウチの業界なので、才能に対するあきらめの悪さファクターの強さは他の業界よりも強い気もするが、人間対象じゃないので楽である……って書くと僕がすごく人間嫌いに見えますね。逆に人間相手に問題解決するのが苦じゃない人は、人間に対して諦めが悪く、人間とコミュニケートする才能があるってことだ!

*1:才能だけだと語弊があるので、業界でプロとして残る人であると捉えて欲しい

中国は何回、北からの侵入で滅んだのか?

追記:なぜ悪の帝国は気候の厳しい北方で勃興するのか問題: 不倒城
この記事を見て、ビデオゲームヒストリーにおける中心地のひとつ、我が日本に多大な影響を与えた中国は、しょっちゅう北の異民族に滅ぼされてたイメージがあるなと思いだした。そして、じゃあそのイメージは正しいのか気になって、タイトルになった「中国は何回、北からの侵入で滅んだのか?」の答えを探ってみた。基準としては王朝(一応南朝も入れた)が滅ぶ原因として北方民族の侵入が主なものである、というあたりに設けたが、なかなか判断が難しかった。

中国歴代王朝滅亡原因表

中国歴代王朝の滅亡原因表を作った。王朝及び滅亡原因、中心民族のソースはすべてWikipediaである。

王朝 滅亡原因 中心民族
次王朝 -
衰退 -
次王朝 漢民族
前漢 禅譲 漢民族
次王朝 漢民族
後漢 衰退 漢民族
西普 北方民族 漢民族
東普 禅譲 漢民族
北魏 次王朝 北方民族
宋(南朝 禅譲 漢民族
斉(南朝 禅譲 漢民族
梁(南朝 禅譲 漢民族
陳(南朝 禅譲 漢民族
禅譲 漢民族
禅譲 漢民族
北方民族 漢民族
次王朝 北方民族
北方民族 漢民族
次王朝 北方民族
中華民国 次王朝 漢民族
中華人民共和国 継続中 漢民族

明らかに北方民族によって滅んだ例は3例であった。意外と直接的には滅ぼされていないことが分かった。
万里の長城春秋戦国時代、つまり秦が統一する前から建設が始まっており、北から異民族が来るのは中国では日常のことで、直接的に滅ぼされるというよりはむしろ漢民族に取り込まれていった、といったところか。実際、漢民族とは血ではなく中国の文化を受容しているかどうか、みたいな解釈をよく見かける。大陸はしょっちゅう勢力範囲が変わって大変である。
ところで中国と言えば漢民族だと思って中心民族に漢民族表記をしたが、秦は漢の前の王朝なのでもっといい表現があるのでは?と思うのだが便宜上漢民族表記にした。
あと簒奪が名目上は1回もないのが意外だった。中国と言えば簒奪みたいに思ってた。その代わりと言ってはなんだが禅譲が大変多く、普通に国同士が戦って滅ぼされることは少ない。

ヨタ話

まとめてみると中国の中心である中原は華北のことを指すが、実際には漢民族華北の支配に失敗して意外と異民族の手に落ちてたりする。そして華南の方はずっと支配してたりするので、中国の本当の中心は華南の方なんでは?って感じがする。日本もなんやかんやで中国や朝鮮などの影響のある畿内よりもあとから支配した東北のほうがそれらの影響が出にくくなって日本感強いので普遍的なことなのかも。

漂白剤の選び方パート2

漂白剤の選び方 - ゆうれいパジャマ
まさかのこの記事の続きだ。Utadaの『Automatic PartⅡ』をBGMにしながら読んでくれ。結論として汗の黄ばみにはハイター使えだったが情報が更新された。前回の記事で手に入らなかった粉末の酸素系漂白剤を手に入れた結果、それで充分だったことを報告する。
粉末の酸素系漂白剤が良いというのは、あちこちで見かけてたものの割りかしどこのドラッグストアに行っても酸素系漂白剤は液体のワイドハイターか液体のPBのものしか売ってなくて、わざわざネットで買うのもめんどくさいしと思っていたら、近所のドンキにオキシクリーンなるものが現れていた。

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ちょっと高いが早速買ってみて試しにいきなりつけ置き洗いに行ったところ、指定の量入れてるのに塩素系のように肌を刺激してきて、皮膚が溶ける感じがあり、これは効きそうだなと思ったら案の定効いた。いちばんひどい脇の汗ジミがつけ置きで消えるので手間もかからず体力温存、きれいになって精神にもよい。
ということで、粉末の酸素系漂白剤は店頭で手に入らなくてもネットで買う価値があることを皆様にお伝えして今日はお別れとさせてもらう。なお、前回から更新されたことは実はもうひとつあり、塩素系であるハイターを使うときは、キッチンハイターを使うと服の一部分、まさに脇の黄ばみなどをピンポイントに落とすときは便利だ。ではでは。

人生に意味は無い

宇多田ヒカルの新曲『真夏の通り雨』が1曲ループして聞いてても全然飽きないのだが、2回目から涙が止まらず、曲も涙もひたすらループしていた。

人として魅力的でない人

ハフィントンポストにマックで働く人の種類のひとつとしてあげられていた。この言葉を出したことで記者が自分のことを人として魅力的でない/あるで分けた時にある側にいるという自覚がすけて見えて、本当に恐ろしかった。自分はリア充であるというような主張。人に魅力というものが存在し比較されてしまう、してしまう、ということが僕はとても怖い。どうせ自分に魅力というものがないならないでそれに気づかない目と脳を持ちたかった。でもその目があるからこそ(自分に魅力がある人が自分の魅力に気づいてないことは結構ある)エキスパートとして評価される面は確実にあるが、それで不幸になるならそんなものいらないし。


お金も技術も仕事もあるけど、なんもない。
だから今日もアマゾンのウィッシュリストを提出できない。誕生日は親友にしか教えない。人生に意味は無い。

SFファン交流会2016年3月例会 テーマ:イーガン世界を読み解く

●内容:
『クロックワーク・ロケット』を皮切りに、SF作家イーガンの宇宙SF三部作が開幕! ということで、その第一作目である『クロックワーク・ロケット』刊行を記念して、イーガンの描く世界を皆さまとともに楽しみたいと思います。
http://www.din.or.jp/~smaki/smaki/SF_F/

行けないな〜と思ってたら1週間勘違いしてて行けたので、グレッグ・イーガンのファンとしてタイトルの会に行ってきた。
Webサイトでは『中村融さん(翻訳家)、板倉充洋さん(理系研究者)』の2人が出演となってるが、イーガン作品のメインの翻訳者である山岸 真さんもいらっしゃって、むしろメインでお話をする形に。イーガン作品の翻訳は、この日に出演した3人によってなされているので、イーガン翻訳者のオールスターというわけだ。参加費500円でこんな豪華なゲスト……ありがとうございます、という会だった。
SFファン交流会2016年3月例会「イーガン世界を読み解く」 - Togetterまとめ
Togetterで大体の内容はまとめられてるんで、出てないところを中心にざっくり自分が面白かったところを書いてみる。→ 以降は僕の感想である。

山岸さんのお話

  • アメリカのSFはスリップストリームやライトなのが主流。アメリカでイーガンの出版はあまり芳しくない……。イギリスはちょっと違う
    • → アメリカでイーガンは人気無いってやつだ!やっぱそうなのかーて思いました。
  • 翻訳するときに会ったりメールもしていない
    • → 分からないところは聞いてるのだとばかり……。一切連絡取らない翻訳ってあるんですね。

出演者全員のお話

翻訳の分担

今まで山岸さんがひとりで訳していたが、今回、中村さんに入ってもらって章ごとで分けて訳した。科学的な部分は板倉さんが下訳をして山岸さんがそこから翻訳。

その他
  • 「イーガン、訳すもんじゃないですよ」
    • イーガンは文が長く、英語というよりもむしろ日本語に近く、オーストラリア英語なのかイーガン独自の表現なのかかなりクセがある。
    • ex. "be going to" を "will" のように使ったりする
    • → 『ゼンデギ』でなんだこの読みにくい文の連続はって思い、改めて他の作品読んだらそこまででもなかったので、そのへんの違いも気になりました。質問すればよかった……。
  • プロット上なくてもよいものをいれがち
    • 仮説めっちゃ立てるけどばっさり切る
      • ex. 『クロックワーク・ロケット』ヤルダの宇宙漂流シーン 第17章(紙版ならp.440)
        • 「物理を学んでないと宇宙で死ぬ」
      • リアリティのためにいれているのでは
      • → 僕は一応エンジニアとして、こういう問題解決のために右往左往するも変な方向から解決したりするってことを多々経験してきたので、リアリティが増すというかむしろこういうくだりがないと不自然に感じます。問題をポンポン解決するな!というか。
  • 数式を文章にして出すのやめてほしい
    • → たしかにw
  • 2巻はつらい。3巻は面白い
    • 2巻は量子力学のお話。1巻が相対性理論の話でこちらの世界より分かりやすいが、2巻はこちらの世界より難しい。
      • → イーガン最難関になるのかな……。
  • 1巻冒頭のおとぎ話と2巻は関係がある
  • 〈直交〉三部作は電子がない世界だがそれに直接言及していない
    • → この世界なんでコンピュータないんだと思ったらそういうことだったとは。
  • 水もない
    • 海、雲、雨がなく、血が流れない
    • 翻訳上、宇宙船という言葉が使えない
  • 言葉の頻度リストを作って古典的な作品のそれと比較することで上記の特徴(電子がない、水がない)が見えてくる
  • 〈直交〉宇宙における相対性理論は『白熱光』でまちがえて見つかったやつになっている
    • → そんなことになっていたとは……これに気づける人世界に何人いるんですかね?
  • イーガンいわく〈直交〉三部作の社会のジェンダー観は現実のそれのメタファーではない
    • → 今回イーガンの長編で最も現実に近いジェンダー観だったというか、ヤルダの扱われ方とか一部書き直したらそのまま現実で起きてるセクシャルマイノリティの受難なので、それはないだろって思ったし、白熱光のようにメインの話にあんまり入ってこない形にできたはずって思うと、やっぱりそれはないだろって思うんですよね。
  • 女性に女言葉を使う理由は2巻の最後で分かる
  • 名前がイタリア系なのはイタリアでイーガンが人気だからサービス?
    • → アメリカでは人気が出ず、イタリアと日本で人気なイーガンってなんなんだ。

おわりに

楽しい会でした。出演者の方、運営の方、ありがとうございます。
板倉さんによる〈直交〉宇宙の物理学講座が、プロジェクタとの接続が悪くてなかったんですが、公開された資料見てもやはり難しい……。最後のスライドの楽しげな雰囲気は伝わってくる。
資料 - JGeek Log
数式を文章化したり、図は出すけど結局わかりにくかったりという話で、iTunes版のインタラクティブなやつ*1とかパランザム名義でアップロードしてるYoutube動画*2とか、その辺の話も個人的には聞きたかったな。質問しろって話だけど。Vimeoには解説動画みたいなのも上がってますよね。ただインタラクティブなイーガンってファルスのルシがコクーンからパージみたいな話になってしまう気も。


Orthogonal / Light on Vimeo
この会終わった時、やたら疲れてて家帰ったらすぐ寝込んで知恵熱かなと思ってたんだけど、次の日もダメでなんかやたら長引いて2週間近く体調悪かったりする。

おまけ

この会に行った所、福本さん*3という方が参加者に『グレッグ・イーガン エッセイ集』の無印から3までの三冊を配っており、ありがたく頂いた。イーガンが自分のサイトにアップしているエッセイを日本語に翻訳したもので、いま検索した感じでは物理的なコピー本としてか存在していない。原文の方はいまでもイーガンのサイトで読めると思う。
グレッグ・イーガン エッセイ集』収録のエッセイは以下の2つ。

  • Born Again, Briefly
  • Anatomy of a Hatchet Job

前者は自身の宗教的体験を書いたもの、後者は『白熱光』刊行後の批判に対して理解できないなら書かなけりゃいいだろって皮肉っとものとなっており、どちらも実にイーガンって感じのエッセイだ。イーガンの自己紹介という形になってると言っていいだろう。
グレッグ・イーガン エッセイ集2』は4つのエッセイと作品刊行年表が収録されている。イーガンは2002年から2006年は執筆をやめておりその理由であるオーストラリアの移民政策に対しる活動についてのエッセイになっている。

  • No Sugar
  • The Razor Wire Looking Glass
  • Letters from Forgotten
  • Interview with Greg Egan

最後の"Interview with Greg Egan"に日本のイーガン読者として面白い事実が書いてあった。移民政策に対して活動していた結果、執筆は出来ず、さらに支援のために金も消えていき、"どんどん減っていく貯えと時々入る日本語訳の印税だけで生活"していたいとのこと。自分がイーガンってめっちゃ面白い!!!って読んでたらその印税が抑留されているオーストラリアへの移民への支援になってたとはという世界の広がりを感じるエピソードでしたね。なお、オーストラリアへの移民は中東や南アジア系が多く、イーガンは活動を通じて彼らの何人かと知り合った。その結果として、それらの移民の出身国の中でも科学技術が発展し高等教育を受けた人間の多い場所であるイランを『ゼンデギ』の舞台に選んだそうな。
グレッグ・イーガン エッセイ集3』は映画評が3つ。

  • Avatar Review
  • An AI Pal That Is Better Than "Her"
  • No Intelligence Required

最後のレビューは"Her", "Ex Machina", "Interstellar"の3つだ。どれもまぁシンプルに辛辣だ。特に脚本の部分に関しては容赦無い。実にイーガンらしい。
とまぁ、とってもイーガンなエッセイ集であり、まとまって出版されると嬉しい。全国1億のイーガンファンのみんなも読みたいよね。
(おまけは2016/07/21追記)

*1:http://gregegan.customer.netspace.net.au/BIBLIOGRAPHY/Ebooks.html#Diaspora

*2:下に貼り付けたやつ、音がめっちゃ安っぽくイーガン先生お手製なのか気になってしまうが音にも意味があるのかも。でも白熱光のムービーと使い回してる気が……

*3:https://twitter.com/fulgurit

若さとは人格の可塑性なのかしら

主に太平洋ベルトの沿海部の体感だけど、まだ寒いね。3月は紛れも無く春とされてるけど12月とほぼおんなじ気温なのでかんべんして欲しい。

最近はてダ書かないなと思って、どうして書かないのかなと考えてみたんだけど、そろそろ大体のものに対して意見が固まってきてしまったんかな〜て仮説が出てきた。人格の可塑性が落ちてきた、てことだろうか。熊格になるのかな?ま、それはどうでもいいとして、新しい怒りとか意外な発見とかが自分の中から無くなってきたという感じがある。若さ、が終わったてことなのかも。

発見が自分の中から生じないとなると、やはり外部に求めていくことになるんかなぁ。