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ディアスポラ

最近はほとんどSFしか読んでないのだけど、イーガンをあまり読んでいなかった。SFにはまる以前に「順列都市」を読んでなにこれ分かんねーとなったのと、SFマガジンに載る短編を読んでもどこかしっくりこなく、いつか読めばいいかな……ぐらいだった。それが「プランク・ダイブ」の表題作で時空の構造を調べるためにブラックホールに飛び込む話*1になにこれ面白い!となって、次は「しあわせの理由」を買ってこれまた面白いなーと思って、残りの短篇集「祈りの海」「ひとりっ子」と買ったのだが、このふたつは一度にがっと読もうとしたら頭が疲れてかえって楽しめず、もう買うのやめようかなと思ってたのが最近の読書体験。

ところがどっこいで、「プランク・ダイブ」に収録の「ワンの絨毯」がめっちゃ面白く、解説にこれを発展させた長編が「ディアスポラ」だよと書いてあったんで、がんばって「ディアスポラ」を読んだら、すっごい面白かったのでその感想を書く。面白いしか言ってないのは語彙が無いからです。

人類と宇宙の究極の運命を描く、驚異のハードSF
30世紀、人類のほとんどは肉体を捨て、人格や記憶をソフトウェア化して、コンピュータ内の仮想現実都市で暮らしていた。《コニシ》ポリスでソフトウェアから生まれた孤児ヤチマの驚くべき冒険譚をはじめ、人類を襲う未曾有の危機、人類の企てた壮大な宇宙進出計画《ディアスポラ》などを描く、究極のハードSF
http://www.hayakawa-online.co.jp/product/books/11531.html

ディアスポラでは孤児ヤチマが主人公なのだけど、イーガンの作品にしては珍しく感情移入してしまって、ヤチマ萌えになってしまった。ヤチマかわいいよ。ヤチマ。常に現実世界の物理を探求するヤチマに訪れる数々の別れに対してヤチマがいちいち真摯で素直でグッと来ちゃうんだな。そういうヤチマを知った後で、冒頭のヤチマが生まれる場面が生きてくる。《コニシ》ポリスでは発生の過程を計算機上でシミュレートして市民を誕生させていて、ヤチマの発生が描かれるのだけど、そこの描写が本当に事細かくてちょっと鬱陶しいぐらいなのだが、ヤチマのその後を知ってから振り返るとなるほど必要だったのだなーと。
という感じにヤチマーヤチマーとなりながら読んだのだが、もちろん途中分からないところは大量にあり、作者による図による解説がWebにあるそうのだが、それらもまとめて電子書籍になったほうがいいんじゃないのか、と思わんでもない。勉強会?とかあるのかしら。しかし、後日読みなおして、あ、こういうことか、と気づくのもすごく楽しいので、今後も頭が良くなる度に読み返したいところ。なかなか良くならないけど。

*1:たぶん。詳しくは違うのかも。生身にしろなんにしろ、大体バラバラに分解されちゃうんで、バラバラにされないために主人公たちが乗るアーキテクチャを設計するところとかいいっすよ