「政治は結果がすべて」なわきゃない

昨日、ネットで同時配信されてたNHKの選挙速報を見ていた。開票開始直後に大勢が判明し、各党へのインタビューが始まったのだが、そこで3人の政治家が「政治は結果がすべて」と言っていてびっくりした*1

小泉進次郎氏あたりも昔から言ってた気がするこのフレーズ、政治自体の否定に思えて違和感しかない。特に選挙後に言うそれは、政治=選挙であって選挙は結果がすべてという文脈で捉えられるのだが、そんなわけない。完全に公平な選挙制度は代議士制では存在し得ないのだから。

また、政治というのは利害調整なわけで、同じ政策でも適切なプロセスを踏むことが求められる。根回しというやつで、反対者への説得や双方の妥協を経て政策を実現することが求められるのが民主主義国家のはず。だから結果がすべて、というのは政治の否定に思える。

今回、保守派の勝者及び敗者から出たこの言葉、政治家には使い勝手がいいのだろう。勝ったら自己正当化として、負けたら潔く敗北を認める言葉として。でもこんなアホみたいな言葉でカッコつけてプロセスの適切さをないがしろにするのはやめて欲しい。だって結果がすべてならリー・クアンユーの家の子になればいいじゃない……って言いたくなるじゃん。冗談だけど。

*1:3人の政治家というのは、自民党の二階幹事長、希望の党の樽床代表代行、民進党の前原代表だったと思う。保守系の3人だった