お風呂場をマグネット収納とステンレス製品でメンテレス化

日本のお風呂場って、放っておくと黒カビとピンク汚れ(酵母菌で厳密にはカビじゃないらしい)が繁殖して汚れる。どちらもプラスチックやラバー系、そして水が溜まりがちなところに繁殖しがちだ。特にピンク汚れは体感だと2週間で繁殖するめんどくさいやつなので、対策として、

  1. プラ製品をなるべく減らす
  2. 水が溜まらない収納にする

の2つをすることで大きく改善し、掃除回数が確実に減った。具体的には、

  • ボトルをKEYUCAのステンレス + プラのボトルに
  • 備え付けプラ棚を辞めてマグネット棚にボトル類を配置
  • お風呂グッズをマグネットフックにかける
  • 普段使わないプラ製品をお風呂場から出す

て感じである。以下、もうちょい詳しく紹介していく。

基本方針「菌類が生息しづらくする」

風呂場の汚れってつまり菌類なのでやつらを生息しづらい環境にしてあげればOK。基本は乾燥させることである。水垢は全然別系統なので今回は考えないこととする。

ボトルをKEYUCAのステンレス + プラのボトルに

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KEYUCAのSaresはステンレスとプラを組み合わせたボトル

ピンク汚れってプラのボトルから発生しがちで、特にボトルの肩と底面の水はけが悪く、ボトルが菌の繁殖源になるので、そもそもボトルをステンレス化するとハッピーになれる。ステンレスは水はけが大変良く、菌を寄せ付けないし水にも強い最強の水回り材質だ。

KEYUCAのこの商品はまさに肩と底面がステンレスでありながら真ん中に透明のプラを挟むことで残量が一瞬で分かる利便性も兼ね備えている。そして高くないので非の打ち所がゼロ。実際にすでに3ヶ月以上使っているが、肩と底面にカビがつかないのでプラ部分もまったく無傷のままここまで来ている。

備え付けプラ棚を辞めてマグネット棚にボトル類を配置

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ソープ類はマグネット棚にまとめる

うちではもともとお風呂場備え付けのプラ棚を使ってたが、これがまぁ水はけが悪くて見事に汚れる。なのでマグネット棚にした。ボトルをステンレスにしてもしなくてもボトル類は水はけのよいところに設置したいのでオススメだ。

マグネット棚も、もちろんプラは避けたいので金属製*1の山崎実業のシリーズ1択だろう。うちでは「タワー ホワイト 3269」というものを採用した。耐荷重の面でもボトル三個置いて問題なく使えてる。底面が2本の板のスノコ状になっており、大きな隙間があるので水はけも良い。

月1程度で天板に汚れが出てくるのでブラシで掃除している。2ヶ月に1度くらいで天板の裏側も汚れてくるので掃除してあげると良いが、プラ製の棚よりは断然汚れが少ない。

お風呂グッズをマグネットフックにかける

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マーナのマグネットフックは意外と大きい

お風呂グッズ(泡立てネット、ブラシ、スクレーパー)はマグネットフックにかけるようにした。

マーナ(MARNA) お風呂のマグネットフック ホワイト

マーナ(MARNA) お風呂のマグネットフック ホワイト

マグネットフックは各社から出ているが、マーナのこの製品が一番良かった。プラだけど加工が良いのか水はけもいい感じで問題ない。他社と比べると少し高いものの、作りの良さは圧倒しているし、お風呂場は毎日使うものなので多少の贅沢は許してあげるのがオススメ。

マグネットフック自体はあまり汚れつかない。たまにはマグネットを外して周りを掃除しておきたいが、1、2ヶ月に1度程度やれば十分って印象。

普段使わないプラ製品をお風呂場から出す

まずイスは捨てた。デカいプラ製品だからピンク汚れの一大生息地になって他にも悪影響を出すので。捨てても実際問題なかった。次に来客用のシャンプー類を脱衣所に引き上げた。使う時に出して、使い終わったらまたしまう、というやり方。

マグネット棚の写真に出てきたプラボトルは詰め替え用が売られていないリンスなので仕方なく使ってるんだけど、フィルムで商品説明と装飾が貼られているタイプで、そのフィルムとボトルの隙間に汚れが溜まったりするからフィルムを外した。まぁあんまり多いパターンではないと思うけど。

残ったプラ製品はお風呂グッズと掃除道具で、具体的には以下。

  • 風呂桶
  • 泡立てネット
  • おふろマジックリン
  • 掃除ブラシ
  • スクレーパー

風呂桶はもしかしたらステンレス化出来るかも。掃除道具はお風呂やシャワー浴びたついでにするために必須なので諦めている。ここはそれぞれの掃除習慣によるところで、裸で掃除しないって場合は脱衣所等に引き上げても良いと思う。

おわりに

お風呂場の基本方針は水回りに結構応用出来るので、キッチンや洗面所とかもこれと近い考えで行くと悪くない。そして脚註で書いたが、ステンレスとラバーマグネット組み合わせたお風呂場収納あれば最強のはずなのではやくKEYUCAとか山崎実業とかは開発してください。あと水はけの悪いプラ棚を設置するアホな風呂メーカーは反省するべき。

*1:本当はステンレスがベスト、台湾にはあるらしいのでメーカーは製品化してね

宮内悠介『偶然の聖地』 ─ 法螺の縦横無尽な炸裂

偶然の聖地

偶然の聖地

宮内悠介氏の最新長編作品。偶然によってしか辿り着けないパキスタンのトライバルエリアの奥*1にある謎の山「イシュクト山」を4組のバディが目指す旅の話、あえてジャンルで言うならSF幻想オブジェクト指向メタフィクションミステリだ。メタパートは本文に300以上付いているという註で構成された変な小説だが、変な作品になればこそ著者の才能が爆発すると見えて、宮内悠介氏の長編作品の中でベストの面白さになっている。

元々本編にはあまり意味のない形での妙なリアリティ(組み込み開発のデバッグ風景とか)を詰め込む人で、本書だと「メタフィクションにおけるダイヤモンド継承」「メタフィクションにおけるコンポジット・パターン」などの章題を並べて伝わるだろうか……?伝わるのか?ソフトウェア開発において確立された手法であるオブジェクト指向メタフィクションに応用し、能力者バトルに使っている。UMLがめっちゃ出てくる。例えばこれとか。

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メタフィクションのクラス図

また、プログラマ定番のデバッグコメントが出てきたりする。本書287ページから引用。

//ここを消すとなぜかインド亜大陸が消える

こういうところが面白い作家なのだが、その人格の面白さ(Twitterも面白い*2)がメタフィクション、大量の註、そしてそもそもはエッセイとして頼まれた文脈にSFや幻想小説の自由さが話自体を拡張し、終盤にきちんと跳ねてカタルシスが来る。ここが重要だ。

というのも、正直に言って氏の他の長編は、中盤までは非常によく出来ていて、最後もきれいにまとまるが、どこか斜めに終わっている印象があり、読んでる途中はすごく面白いが読み終わってみるとちょっと頭をひねりがちになることが多かった。これまでそれが連作短編による形式のせいだと思っていたのだが、どうも違ったようで、物語の形からして普通のものとは違った形に加工しないとハマらなかったということなのだろう。

掲載誌『IN POCKET』自体の休刊もまた、本書の文脈にひとつ面白さを重ねていて、この本自体が偶然出来たものの象徴で、『偶然の聖地』というタイトルの収まりの良さには、きちんとハマりすぎてて笑ってしまう。ということで変なフィクションを求めるプログラマに一押しだ。なお本書は特殊な書き方で電子書籍のリフローに対応してないので紙の方がオススメ。

食洗機で冬の手荒れがなくなった

QOL家電の話です。あと最近増田で熱い気がする。買って約1年経ったんですが、QOLガン上がりなのでオススメです。タイトルにも書いたけど、冬の手荒れがなくなったのが本当に嬉しい。買ったのはPansonicのプチ食洗。一人暮らしなので。最近タンク式のも出てきたけど、分岐水栓式の方が設置は大変だけど、使い勝手は上なので、置けるならこっちがオススメ。分岐水栓はお湯に繋げられると完璧。

食洗機の様子

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https://panasonic.jp/dish/p-db/NP-TCM4.html

PanasonicのNP-TCM4です。冷蔵庫の上に置いた。蓋をちょっと開けてるのは、内部の乾燥のため。

良かったところ

  • シンクに食器が溜まらない
    • 使用済みの食器が増えてきてもストレスにならない
  • 手をほとんど濡らさずに食器を洗える
    • 手荒れ減る
    • シンク周りの水の飛び散りが減る
      • 腕まくりが甘くて袖が濡れることがなくなる
      • 水が跳ねて靴下を濡らすことがなくなる
  • 強力な洗剤できれいに仕上がる
    • 食洗機用強めの洗剤 + 温水の排水でシンクもキレイになる
  • 汚れ落ちが甘いなて時でもまた機械がやってくれるので気持ちが楽

良くないところ

  • 木製の食器が劣化していく
    • 箸やお椀が問題
      • 箸は竹製にしたけど、大陸のような金属の箸が良さそう
      • お椀は陶器のものばかり使うように
  • プラ製容器の乾きが遅い
    • ガラス製に変更

使い方

  • 使い終わった食器はシンクにいれずに食洗機のカゴにいれる
  • 半分程度入ったら洗浄開始
    • 食器が埋まるまで洗浄を待たない
  • 洗浄が終了したらカゴを開けて自然乾燥
    • 60度の高温で洗浄するので乾きが早く、乾燥機能は不要

「食器が埋まるまで洗浄を待たない」は本当に重要なポイントで、早めにちょっとスカスカかな?程度で回していくほうがストレスなく運用出来ます。もったいない気持ちはわかるけど、水の使用量は本当に少ないのでそこで相殺ってことで。通常のコースで60分、スピードコースで30分なのですが、カレー以外だったらスピードコースの30分で十分です。

機種選びポイント

  1. 設置面積と体積の小ささ
  2. 水栓が対応しているか?
  3. スピードコースの存在
  4. 使い勝手

まず設置場所の問題でプチ食洗オンリーに当時はなりました。それで自宅の水栓に対応する分岐水栓があるかパナのサイトで検索したらあったので、2までクリア。じゃあプチ食洗三機種あるけどどれにしよう?てことでスピードコースが存在している中位機種にしました。実は乾燥機能いらないと思ってたので、操作も取説見て難しくないのを確認し、上位機種との差を考えたんですが、単純に丁寧な普通のコースとスピードコースの2種類選べればいいや、と思って中位機種に。ということでオススメです、NP-TCM4。

設置工事

分岐水栓(1万円弱くらい、結構高い)と食洗機自体の設置を自分でした*1ですけど、工具の用意もいるし、水回りは失敗も怖いので、工事費なんて大体1万円程度だから、ふつーに工事頼むほうが良かったと思ってます。

おまけ:洗浄時の音

*1:全く同じ水栓でDIYしている方が、豊富な写真付きでブログ記事にしていたので

『インターステラー』の感想

過去の下書きから出てきたのでアップ。簡単にまとめるとSF文学ファン的にはSFガジェットの使い方が大味すぎて微妙。

インターステラーの評判がSF界隈からも良いから見てきた。ざっくり言うとSF映画として全体を楽しんだかというとそうでもなく部分部分はSF的にも楽しいし、普通によい映画だった。

映画というメディアの枠内で見ると本当によく出来た映画だと思う。娯楽映画として必要であろう一般性として、CMでも訴求される「愛」の物語として成り立つように作っているにも関わらず、愛を否定的に語っているという見方も出来る2面性を作っていて、いや、それ一般的に良いこととされてるけどどうなの?っていう派閥にもグッと来る設定にしているバランス感覚は凄い。3時間もある上映時間の中で、だれずにアメリカで今起きている問題なんかも盛り込みつつ、ワームホールを使い別の太陽系に行き、高次元の空間が……ってなる話を両立させるのはとてもうまい。

僕としては、作中の人物のほとんどが善悪の二面性を露わにし、出てくる科学者の半分がマッドサイエンティスト、人類の今後を決める時に意見に私情を挟んでることを指摘された途端に愛には力があるのよって語りだす科学者にノーという主人公とか超最高だと思ったし、作中世界ではかなりの教養の持ち主が、家族への医療を拒否してたりで、人間性というもの絶対信じてないだろっていう話が沢山あるのが最高だった。

なのだが、詰め込みすぎの弊害がやはりあり、それがSFとしての世界の強度を低下させている。その最たるものとして、何が地球をダメにしているか明確に分からないということ。「オクラがだめになりました」「とうもろこしもだめになる」という風に栽培できる植物が順々に無くなっていくんだけど、作中ではその原因について何も言わないから謎。主人公が宇宙に行く理由が、地球がダメになるから宇宙へ行きますというものなんだが、その根本があやふや。地球、荒廃しちゃった描写はあるのに、それがどういうもんなのかを明かしてくれなくってう〜んってかんじ。ここは科学者による説明パートでさっくり1分とかそれこそ一言とかで良いから、あ、それはダメだねってなること言って欲しかった。そう言われないと、ラムジェットエンジンがあり、人間に危害を与えずに滑らかに動き、ほとんど人間と変わらない受け答えをするロボットが作れるほどの進化を見せたテクノロジーに対してチグハグ感が大き過ぎて……ってなった。映画というメディアの負の面もあって、出てくるロボット、宇宙船のUIなんかがもはやレトロヒューチャーにしか見えなかった。

ただ一方でこの辺の話って自分がその辺の技術の難易度の高さを知っているからという面もあって、そうでない人にとってはSiriとインターステラ―のロボットの差はそんなにない可能性はあるなぁと。なんで、映画の作りとしてはそれで正しいと思う。僕はフィクションにはその描く世界における一貫性を重視して欲しい人間で、今回はSFパートで評価が低くなったが、僕と同じ価値観でも僕と持っている知識の範囲が違う人が見ると一貫性はあるということになるのかもしれない。