タイトルは、最近開始されたDIS+COVERサイエンスというサイエンス分野の新書レーベルのキャッチコピー。現代風に科学をポジティブに捉えるとこうなるのか、って感じするね。「日本と世界の明るい未来のためにディスカバーからサイエンスシリーズ」とな。
http://www.d21.co.jp/contents/campaign/science/
最近サイエンス分野の新書レーベルが増えてて、PHPからも少し前にPHPサイエンス・ワールドってのが出ている。この分野の先行者たるブルーバックスも健在で、書店の新書コーナーで順調に勢力を伸ばしている感があるし、図解雑学とかもこの流れかな。ソフトバンクもSi新書なるものを出している。なんとなくエンジニアリングが好きな自分にとってはなかなかうれしい状況。
さて、DIS+COVERサイエンスに戻ると、創刊ラインナップが
『科学技術は日本を救うのか 「第4の価値」を目指して』
『科学との正しい付き合い方 疑うことからはじめよう』
『予定不調和 サイエンスがひらく、もう一つの世界』
というふうになって、キャッチコピーとかのあの前向きさはどこに消えたんだって並び。どうなってるんでしょ。「科学技術は日本を救うのか」とかなんで科学技術は日本を救う!にしなかったんだとこっちが煮え切らない感じを味わいます。
予定不調和
- 作者: 長神風二
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日: 2010/04/15
- メディア: 新書
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さらに、本題であるところのこの本のエピソードの大半がデザインの問題なんじゃないのって気がするんですね。技術そのものじゃなくて、技術をどう見せるか、どう使わせるか、どう社会に組み込むか。新しい技術を生のままだしても、それが不調和になるのは当たり前じゃん……新しいんだし……と思ってた。
今後に注目
なんかレーベルのキャッチコピーとは正反対の方向のような創刊ですけど、科学技術で開かれる新しい創造的で革新的で居心地の良い未来、もしくは現在を見せてくれる著作が出てくれると個人的にうれしいです。科学技術に警鐘を鳴らされるのはちょっと飽きてるんです。包丁が危ないのはいつの時代でも変わらんのです。