急須を買いに常滑へ5 帰還編

ゆとベントカレンダー⑥

久しぶりにガッツリとマネジメント仕事。結局また繰り返しか……という徒労感で疲れた。が、Miroという最近アツい無限クラウドホワイトボードアプリの手応えがさらに増したのは怪我の功名。飲食店の営業時間が戻っていて遅い晩御飯を支えてくれるのが骨身に染みる。エッセンシャルワーカーの待遇が良くなる政策を取る政治家を推すのみである。

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方向感覚は悪くないし、地図は手元にあるし、地図は読める方という自信が良くなかった。迷ったのだ。やきもの散歩道の歩いてないところを通って帰ろうという欲も良くなかった。言い訳すると碁盤の目ではないし、坂だらけで道がどう繋がっているか分かりにくいし、見通しも悪くて数歩踏み出すともう自分の居場所が分からなくなるのがやきもの散歩道だ。とはいえ、金山駅17時の約束が待つ身としては1627常滑発新可児行きの準急に乗らなくてはいけないのだ。

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普通の日本の町並みと散歩道の対比が面白いが、夕日が時間の不安を煽っていた

不安はあるがとにかく駅の方向は分かるので、そちらに向かっていたらいつのまにか見るつもりもなかった巨大招き猫、とこにゃんの橋に来ていた。ここは陸橋で、陸橋付近にある下に降りる道は駅と逆方向。駅方向にも道あるはずとGoogleマップを見るとない……。まぁ陸橋の道の先に行けばあるだろと思って歩みだしたのだが、なかなか駅に降りる道は見当たらない。見晴らしの良い崖沿いの道で、駅は見えるけど行けない笑ってしまうような状況に。最終的にGoogleマップには道として載っていなかった細い道を通って崖を下り、なんとか電車に間に合った。

今調べてみると、ネットに上がっている散歩道マップにはGoogleマップに載っていなかった道が載っていた。一方で現地で配っている散歩道マップは結構仕様が違って、載せている範囲が違うし、お店もない。多分お店の入れ替わりもあるから現地仕様と分けていると思うのだが、出来たら統一してほしいところだ。

慌ただしいが本当に楽しいショートトリップだった。こんなに買って大満足の急須に出会えるとは思ってなかった。言うても急須でしょと舐めてかかったら産地の本気で殴られた感覚。

振り返ると時間がとにかく足りない。散歩道ですら回れなかったが、それに加えて、陶磁器会館、常滑焼急須館、ミュージアム(INAXライブミュージアム、とこなめ陶の森の資料館と陶芸研究所)、陶器の卸売市場であるセラモール、全部行きたかった……。しかしセラモールには自家用車なしでどうやって向かえばいいのか……。次回も観光案内所に聞いてみよう。たぶん教えてくれるだろう。

そう、今回の常滑、人が優しいのと距離感が良いのが印象的だった。まぁ尾張生まれが知多に来たから水が合うだけよ*1って言われたらそうかもしれんのだが、お店が工房併設だったりするので、いらっしゃいぐらいは言われるけど、大体は放置されている感じ。東京のお店だともっと早いタイミングで声かけられたりする。それがちょっとしんどくて洒落た店を回ると気疲れするのだが、常滑にはあんまりないのでサクサクと行けたのは本当にありがたかった。いざ話してみても店員と客の会話というよりも、そもそも客も全然いないし暇だから世間話ついでに話すわみたいな感じで、売ろうとする感が全然なくて良かったね。地域の特徴というよりも産地の特徴かもしれんけどね。

名古屋から30分で着くし、駅至近に歩いて楽しい観光ルートがあって、めちゃくちゃオシャレなカフェも、インスタ映えする風景もあって、買う楽しみもたっぷりあって、一日遊べるのに人がいないのが不思議な街だった。当時、愛知県体育館でやきものワールドなる催事をやってたからそちらに人取られていたのかもしれんし、瀬戸と美濃というライバルが至近にあるし、日曜だとランチぐらいまでの方が人がいるのかもしれんけども。

次いつ行こうかなと思ってて、次回はライバルたちとまとめて、美濃、瀬戸、常滑、萬古の焼き物産地周りまくりツアーとかしたくもあるし、知多半島泊まってたっぷりとかもやってみたいね。

*1:愛知用水でな!ってことではない。ところで愛知用水の開通で知多半島の永年の課題であった水不足が解決した話は世銀の融資も含めて世界史、戦後復興史、産業史としても面白いのでオススメ