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馬場のデニーズで

日記

窓際の席に案内され『パスタ マルゲリータ』を頼んだ。アイホンをいじるのにも飽きて頬杖をついて新目白通りを過ぎる車を眺めていると、料理が運ばれてきた。完璧な見た目をしていた。メニューの写真よりもおいしそうに見えて注文を間違えたのかと思った。最近流行りの小山状に盛られ、赤いトマトソースとベーコン、それらが絡むパスタの上に白いモッツァレラチーズと緑のバジルが載っている。色のバランス、配置ともに良い。そして黒胡椒が全体に振りかけられて全体に黒の斑点を加えてアクセントとなり、ひとつの皿としての完成した見た目を作り上げていた。
フォークを挿す。パスタを巻いて口に運ぶ。熱い。本当に出来立ての熱さ。少しやけどをしそうになるぐらい。そしてうまい。見た目同様、完璧なバランスの味をしていた。トマトソースにベーコンのうまみ、モッツァレラチーズの食感、バジルの香り、そして黒胡椒の弾けるような軽い辛味。ソースとパスタの絡み具合も薄すぎず、濃すぎずちょうどよい。きしめんが少々スパイラルしているような形の、薄く柔らかいパスタは、このソースにぴったり合っていた。これだけで最後までおいしく食べられる一皿だった。
終電後の時間に完璧なパスタを食べられる事実に感謝した。ここが星付きのレストランだったら、間違いなく料理長を呼んで褒めていた。もしかしたら、終電後で人がいないから、盛り付けが完璧で、熱々なパスタになっていたのかもしれない。でも、たぶんデニーズはいつもこのクオリティのパスタを提供していると思う。たぶん僕らはデニーズに完璧を求めないから、その完璧さに気づけないのだ。もしかしたら、今日のパスタは社畜を生む日本の低い生産性を背景に生まれているのかもしれない。店員を人扱いしないような、ものすごくひどいなにかから生まれているのかもしれない。持続可能な状態ではないのかもしれない。だから今日、馬場のデニーズで完璧なパスタを食べられたことを記録しておく。
2016年1月7日、完璧なパスタを馬場のデニーズで食べた。
パスタ マルゲリータ|デニーズ