Omega Crafterのオープンβテスト感想

Preferred Networksが作ったマインクラフトみたいなゲームがOmega Crafterで、最大の特徴はビジュアルプログラミング言語による仲間AIのプログラミング。そのオープンβテストで遊んだので感想書いた。

Omega Crafter on Steam

スプラのゲーム仲間がやっている時の配信を見てたら、プログラムに苦戦していたので「それはこうしたら動くはず〜」とか、アドバイスしてたらやりたくなったのがきっかけ。

プログラミング楽しいよ

まぁそういう経緯なので、プログラムするのが楽しい。プログラムできる対象は、グラミーという存在で、主人公についてくるひとりと、拠点としてゲーム上に定義されている街という場所でのみ使える生成できる人たち。

冒険するときに必要な素材があり、それのクラフトを手動でやるのがそこそこめんどくさく、自動化できると楽になるという状況が設定されているのが肝。ユーザーは自然な形で自動化を目指す。この自動化であるプログラミングの部分はPreferred Networks社が作っているプログラミング教育サービスの『Playgram』そのものらしく、かなり洗練されている。子供が楽しめるように、ビジュアルのフィードバックがあり、クリエイトモードで自由に世界を作ることができるようになっているらしい。*1 開発者インタビューでも、その工夫を子供が楽しんでるのを見て大人向けにも作ることができるのではないか?という流れで当ゲームの開発が始まったとある。

新星・国産クラフトサバイバルゲーム『Omega Crafter』は、ほぼエンジニアのみのチームが“先行事例”を研究しまくって作った。ITベンチャーのゲームチームが目指す遊びやすいクラフトサバイバル - AUTOMATON

このゲームではプログラム対象はグラミーのみで、グラミーはプレイヤーキャラクターが出来ることの多くが出来る。つまりロボットのプログラミングである。ここも肝のひとつで、どんなに単純な動きでも、グラミーが動き回る姿がかわいいのである。println(“Hello World”);をしても何も面白くないが、グラミーに木を切らせるだけでかわいい。そこからさらに切った後に出る素材を拾わせると、一気に人間味が増し、さらにプレイヤーに渡しに来るようにするともうめちゃくちゃかわいい。

一緒に遊んでた人たちは天才で、木を加工して板を作るグラミーが成功したときに「いい艶だ……」って言わせていた。Printデバッグとも言えるし、内部の状態を外部に自然に出す手段としてもうまく使っているなぁと、プログラマー的視線では思うし、グラミーに性格付けることで親しみと面白さがさらに増すという意味では言語センス、ストーリーのセンスを感じる。まぁ後者もプログラマー的には抽象化とかネーミングのセンスとして回収できるところでもある。

マインクラフトはそこそこやったが、どうも自動化がしっくりこずに終わった。それをするための手間があまりにもかかり過ぎるし、手動の時とまったく違う発想が求められるからだ。多くの人は先行事例を真似て作るところから始めるだろう。それに対して、本作における自動化は楽過ぎるぐらいに楽。まずグラミーのプログラムはゲーム開始直後から出来る。そしてグラミーはプレイヤーキャラクターのような振る舞いが出来るので、プレイヤーがクラフトする手順をグラミーにプログラムするだけで良く、自動化で手動の時とクラフトの手順が変わるということがないのもポイントである。

余談

グラミーはロボットなので、ライン工としても多能工としても扱える。つまりいろんな仕事のやり方の効率の差を見てみよう〜みたいなことも原理的には扱えるはずで、それはちょっとやってみたいなと思った。『カンバン仕事術』という本で、1個流しにすると価値の提供が最速化するわよということを実感するための、コインをみんなでひっくり返していくゲームというのがあるのだが、それをグラミーにやらせたら、より実感を伴うんじゃないか、と思ったわけ。

プログラミング以外の部分

建築も結構楽しい。ブロックに縛られているマインクラフトよりも楽だし自由。グラフィック面ではテクスチャのクオリティは正直低いのだが、光の表現がとてもきれいなので、一日の中で美しい瞬間が訪れるのが良い。

冒険と戦闘にはそこそこキャラコンが求められるのだが、Macbook Airのみの適当な環境でやったので大変だった。だが、ちゃんとコントローラーとか用意しても他と比べてとびっきり面白いとは思えないだろうな、というのが正直なところ。あと基本マルチプレイしかやってなくて、ソロだと操作性の悪さと不利さで諦めてたと思う。

全体を通しての感想

圧倒的に面白い部分がグラミーへのプログラミングで、グラミーたちがワチャワチャ動いていてくれるおかげで、成功してもバグってても楽しいのである。そこが楽しすぎるので、他は仕方なくこなしている感じになってしまった。

自分の肌感覚としては、この部分をゲームの要素すべてに応用したらもっと楽しくなるのに、であった。

冒険だったら乗り物がないと行けないところを作り、プログラムさせる。戦闘だったらグラミーに戦術をプログラムして実行させる。タワーディフェンスにしてもいいと思う。建築も当然グラミーに任せてしまいたい。プレイヤーキャラクターはかなり普通のゲームらしく色々な事ができるのが現状だが、あえて出来ることや出来る範囲、効果を絞って、世界により大きく介入できるのはグラミー経由にした方が面白いのではないか?

以上なのだが、僕は本職プログラマーなので、まぁなんか特殊なプレイヤーだしなぁってこの感想に関しての感想を持ちました。ではでは。

*1:公式サイトを見ただけの感想