- 作者: 梨木香歩
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2004/02/28
- メディア: 文庫
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話は、おばあちゃんの昔話(というか当時の日記と言う形で)とわたしの話が交互に進んで行くだけど、最初はばあちゃんの日記パートが旧仮名遣いで読みにくかった、正直。でも、中盤から話が深まると、突然と言っていいぐらい日記パートがうねりだして、主人公パートを呑み込んでしまう。さらに、突然なのにあまりにも自然に話が繋がってる。
さて中身の方はって言うと、聖書というキリスト教のモチーフを使っているのに、語られるのは極めて日本的というか。文庫版の解説でも言ってたけどね。死と生、あの世とこの世の境界がぼやけた作品で、とても日本的に感じる。このちょっと怖いけど不思議な空気にはまってしまってるかも。
するっと読めてしまうのに、読後に残るモノが大きい。