怖い宇多田ヒカルプレイリスト

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こんな企画があったので、元々怖い曲にさらに文脈を与えてより怖い宇多田ヒカルのプレイリストを構成することが出来るのでは?と思ったので作りました。


  • 1. Be My Last
  • 2. 残り香

「母さんどうして」からスタートして欲しかったのでこうなった。壊したつながりで「残り香」を配置。

  • 3. Never Let Go
  • 4. Parody
  • 5. Me Muero

基本的に近年の作になればなるほど怖い曲が増えるんだけど、その萌芽は昔からあったということですべてのアルバムから曲を入れている。『First Love』は一番平和なアルバムだけど、やはりここにもあるのだ怖い成分が。「Never Let Go」は、近年ますます繰り返される愛への執着と孤独がすでに織り込まれているのである。『Distance』からは「Parody」がピタッとはまった。この曲最後に「ドクター!ドクター!」って叫ぶので、『This is The One』の「Me Muero」のベッドでゴディバ食べてるような、気だるくセルフネグレクトして死にたい感じを突っ込んだ。

  • 6. Forevermore

愛への執着の結節点としてこの曲を選択。人生を放り出したいぐらい投げやりな状態からの愛だけで良いという落差を楽しんで欲しい。

  • 7. 東京NIGHTS
  • 8. Exodus '04
  • 9. Kremlin Dusk

「東京NIGHTS」は『DEEP RIVER』からの一曲。なんとなくこのアルバムはもっとあると思ったのだが、意外に前向きなのだった。東京で一人ぼっちな感じは3-5曲目とも呼応しているし、次の「Exodus '04」の「trafficjams in Tokyo」という歌詞に繋がる。そしてこの曲で再び母への呼びかけ「Mama, don't worry about me. This is my story.」が入ってくるのである。家にいる不安を歌って新天地を目指すあたり、後日明かされた家庭環境と一致してしまうところ、この後の「嵐の女神」に繋がってくる。そのまま同じアルバム『Exodus』から「Kremlin Dusk」を入れた。ここは音を楽しんで欲しいが、「嵐の女神」で言うところの嵐の真っ最中なのでは?という解釈をしている。

  • 10. Play A Love Song

母を追悼するアルバム『Fantome』のあと、本人や周囲がインタビューで"人間生活"を経て大人になったという話をしていた。実際『Fantome』はコラボも多く、まわりと折り合いをつけてやっている感があるが、その後に出た『初恋』はむしろ不安が増大する出来だ。それを象徴するのがこの曲で、「大丈夫!大丈夫!」ってコーラスが入るが、大丈夫なやつは大丈夫って言わないのである。

  • 11. 虹色バス

22曲って多いので前半と後半で分けることにした。前半ラストは活動休止前のライブ『WILD LIFE』のエンディング曲をいれた。明るく歌詞も軽い感じの曲なのに最後は「誰もいない世界へ 私を連れって行って」なのである。横浜アリーナでそっかぁ……てなったのを覚えている。

  • 12. 嵐の女神

後半最初と前半最初は呼応させたかったのでこの曲。各曲に入っている「母」をつなげている。

  • 13. 忘却
  • 14. Show Me Love (Not A Dream)
  • 15. Prisoner of Love
  • 16. Animato
  • 17. This is Love
  • 18. あなた

「死」のイメージそのものの曲から、間に「Animato」を挟んでLoveな曲を3つ遊びでいれてみた。Loveを見せて!からのLoveの囚人、これがLoveという流れを経て「あなた」という子供への深い愛(ちょっと深すぎる気がするほどの)を歌った曲に繋がる流れ。「Animato」は自分の大事な物を歌っていると思っていて、それが実は愛で壊されているんじゃないか?とか、他では「あなた以外なんにもいらない」って言っているけれど本当に大丈夫???その大事な物を壊されてない?という不安を生み出しているので、間に挟むことでそれを強調してみた。

「なんにも心配いらないわ」が繰り返される「Stay Gold」だが、これもやはり心配ある人が心配ないって言うのである。「Stay Gold」の不安になるほど明るいピアノが、暗いピアノになって「真夏の通り雨」に繋がる流れにした。ここは時系列的にも正しく、明るすぎて不安だなぁ……からのやはり不安的中なのである。

シンプルに人は皆死ぬことをどこか客観的に、悲しみを感じさせずに歌っている「夕凪」からのもう会えないことをストレートに歌う「桜流し」でプレイリストは終わり。母、執着した愛、孤独、そして死の要素のみを取り出して構成した。