パワハラする人が出来る過程を眺めていた

伝説のトンボ鉛筆の人事のように、他者をコントロール出来る喜びは人を簡単に狂わせてしまうようだ。

パワハラマンになる。
ノーマスクマンになる。
他人をバカにしてる。

去年の5月に書いていたメモにこうあった。人は変わってしまう……が、これはこの一年弱変わらなかった。

この三つの被害は自分自身は受けなかったものの*1、任されていたはずのプロジェクト2件を別々のタイミングで止められて、しかもその後その人の好きなようにプロジェクトの方向がねじ曲がったので、こっちの感覚としては乗っ取られて印象で、もうやってらんねーてなってやめた。

実際プロジェクトを止める権限も、方向を決める権限もその人にはある。が、なんか俺たち心理的安全性あるよね感を出しておきながら、決断は常に自分のみでブラックボックスで出し、こちらが決断の材料はこんな感じですね、揃いましたね、ではこの会議で決めましょうというお膳立てすると、会議には出てオーケー出すくせに、あまり真剣に参加せず、後からひっくり返す。まぁ典型的な自分の影響力を最大化したい人で、かつやり方も自分の好きなやり方したい人だった。口には出さないが。

方針というものを決めるのがいやらしく、たぶんそういうものがあると自分の手足を縛られる気分なのだろう。それはそれでいいのだが、大人なのだから忖度させずに言語化してほしいものである。ましてや権限あり。

その割に俺たちは心理的安全性の高くて、ルールの少ない自由な組織なのだという感じを出してくるんですごかった。いや、あなただけが自由なんですよって感じ。

自分の仕事歴10年の中でも、こういう怖い人はたくさんいた。そんな中でも昔はそんな人じゃなかったのにリアルタイムでそんな人に変化していったのを目撃した事例が2回あって、そのうち1回が今回。前回は仕事の切れ目があったので助かったが、今回は無限に来そうなので自分から仕事をお断りした。

前回は、色々あって会社外まで響き渡る大騒動になった人だった。その人も初めて会った時は、業界の賞を取ってはいるし、やる気もあるが謙虚な人って感じだった。ペーペーな発注先の自分がどんな発言してもニコニコしていた。が、その後も賞を取ってそれに合わせて偉くなり、部署もその人のための部署ができたりと、鰻登りな出世。並行して客先から漏れ聞く噂が悪化の一途。それはもうすごい勢いだった。

一度、その人主催の勉強会にその過程の中行ったのだが、行ってみたら驚いて、みな結構オドオドしながら発言しているのだ。昔は闊達ないわゆるワイガヤ的雰囲気だったのが、かなり悪化していた。

結局最後はパワハラで告発されて飛ばされた。最終的には会社を退職。

今回の事例に戻ると、前回とは異なり、割とお堅めの会社の人で、お堅めの会社って、破天荒な社員がいると、逆に偉い人が喜んでチヤホヤしちゃうところがあって、治外法権みたいな組織作ってしまいがちで、それが今回だった。

自分たちの会社のアンチテーゼになるので、ルールとかなくなるんだけど、規律もなくなる。平気で1時間遅刻されたり、長くもない会議を途中離席したり、後片付けをしなかったりと、やりたい放題。その割に皆が例の人の機嫌を伺い、心理的安全性は低く、建設的な批判は出てこないし、数少ない批判も、せいぜいその人の領分で、全体最適なスクラム的な事にはならない。

実際、彼らは能力はあった。今回の人は、その会社の中ではなかなか出来ない方向のサービスを作り上げたし、前回の人は賞をたくさん取っていた。彼らの暴走を止められるのは、一体何なんでしょうね。

もし、自分も彼ら並みの権力を持ったらそうなってしまうんだろうか。怖い話である。まぁそれは置いといて、とりあえず疲れたよ。離れられて良かった。

*1:ノーマスクマンの被害は受けてるわね